THE SUPER TAIKYU

第4戦プレビュー

   今年は開幕戦から1戦ごとニューマシンが出てきてくれるんで、目玉として扱えて非常にありがたいんですよね! 開幕戦ではST-1クラスのヴィッツ。厳密に言えば、シーケンシャルミッションのポルシェ997もデビューレースでしたね。いきなりのポール獲得は衝撃もの。

 で、第2戦はZ34フェアレディZが登場。これは見事、デビューウィンを飾ってくれました。第3戦はシビック・タイプRユーロがデビュー。こちらはゼロからの製作とあって、ちょっと苦戦を強いられましたが、これからの高い可能性を感じさせてくれましたよね?

 そして、第4戦『SUPER TEC』こと富士での4時間レースには、あのGT-Rが姿を見せます! 実に7年ぶり。富士に帰ってきてくれました。やっぱり、なくてはならない存在だと、スーパー耐久にGT-Rはね、そう思うんですよ。だって、このクルマぐらい、シリーズに歴史を刻んだのは、他にないですから。

 今から20年前、シリーズの創設からしばらく、GT-Rは間違いなく主役たる存在でした。最速にして最強、しかも数台でしのぎを削り合って、レースを盛り上げてくれたんですから。50連勝なんて記録、今じゃ到底ムリだと思いますよ。それと昔は予選落ちもあったんですが、按分比例ですからね、ちょっとでも何かあれば、GT-Rでさえ通らなかった。

 昔は良かった……なんて言うつもりは毛頭ないけど、すごい時代のすごいクルマが帰ってくる。それだけでもワクワク・ドキドキものです。ただ、今のGT-Rと、かつてのGT-Rは全然別もの。直6エンジン積んでいるわけではないし、そもそも『スカイライン』って名称が消えているわけだし……。

 確実に言えるのは、3.8リットルターボのエンジンが繰り出すエンジンパフォーマンスは、ストレートで他を圧倒するということ。これは間違いないでしょう。しかし、その分、燃費は悪そうです。そこで他のクルマが95リットルタンクを積む中、GT-Rには120リットルタンクを特認。これで4時間テースでも2回の給油で済みそうですが、ピットでのロスタイムが多いのは確実です。

 車重も1480kgに設定されましたけど、BMW Z4に比べて160kgも重く、ポルシェ997とは220kgも重い。となると、いかに高速コースの富士でもコーナーでの苦戦、特にセクター3は厳しいでしょう。20インチのホイールの中におさめられたブレーキは、どこまでこのヘビー級ウエイトを支えてくれるのか?

 しかし、そう厳しいことばかりかいてしまいましたが、ニスモが製作して影山正美選手、田中哲也選手、そして星野一樹選手に託すのですから、中途半端なものであろうはずがありません。苦手としている部分を克服できるだけの得意な部分があるからこそ、このレースに出てくるのでしょう。もし、そうでなくてもストレートでの速さを堪能できる、それで十分かも。

 ともあれ、GT-Rに関してはお手並み拝見、といったところですが、このクルマ以上に富士でのレースに必勝を期しているのがポルシェ997。チームアートテイストは、やる気満々です。思い出してください、前回の鈴鹿での第1スティントでの活躍を。PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台を追い回すどころか、抜き去ってもいるのです。

 その立役者である立川祐路選手は言いました。「鈴鹿でこれだったら、富士では確実にいけるでしょう」と。ポルシェもまたストレートは得意です。しかも、RRでトラクションのかかりはZ4以上。それでこの軽さ。必勝体制で挑んでいるのは間違いありません。

 一方、PETRONAS BMW Z4も今回ばかりは苦戦は必至。何より排気量が小さい分、ストレートではポルシェやGT-Rに対抗すべくもないからです。しかし、コーナーの速さとタイヤに優しいこと、そういう要素を生かして戦術を駆使してくるのは間違いありません。常勝チームならではの技、これを是非ともご注目ください。ともあれ、すごい戦いになるのは確実です。

 ところで、スーパー耐久と言えば、2回のピットストップが義務づけ。4時間レースであっても、それは例外ではありません。昨年はほとんどのチームが2回の給油で済ませていますが、ずっと雨の中のレースでアベレージが落ちていますんで……。今年もし、ずっとドライだったら、3回の給油を強いられる可能性もなきにしもあらず。

 4時間を3等分すると、1時間20分。単純にスタートから1時間20分以上走っていれば、十分2ピットで対応できるということになります。しかし、それより短ければ3ピットの可能性も。一昨年はストレート自慢のランサーエボリューションXが、それを強いられていました。となれば……。

 ST-2クラスの本命は、前回優勝の勢いとも併せ、やっぱりエンドレス・アドバン・コルトスピードXということになるでしょう、特に予選は。序盤から逃げることも必至です。けれど、その速さに惑わされちゃいけないともいえますね。まぁ、対抗馬のRSオガワADVANランサーが翻弄されるとは思えませんが……。あ、エンドレスには今回も山内英輝選手が乗りますよ。

 ただ、作戦の切り替えが可能となることが、天候以外にもあります。それはセーフティカーという存在。これが入ると、燃費的にはずいぶん楽になりますからね。昨年は一度も入らなかったけど、一昨年は一度あり。今年もここ2戦、いずれも入っていますんで、『二度あることは三度ある』のたとえじゃないけど、こればっかりはどうなることか。

 さて、5クラス中で唯一、毎回ウィナーが入れ替わっているのがST-3クラス。バトルも激しく、シリーズいちばんの盛り上がりを見せているといっても過言ではありません。単純に言えば、富士との相性はRX-7が抜群。そろそろ岡部自動車モータースポーツの2台が来そうな気がするんですけどね、ほら地元ということもあって、張り切り度合いも違うでしょうから。

 でも、ここのチームは今年、どうにも流れがつかめていないような気がします。だからこそ、今回で流れを変えたいところです。去年はNSXが大暴れしましたけど、M3も互角の勝負を繰り広げ……、そうだ昨年は最終ラップに逆転劇があったんですよね! あんなすごいバトルが、また見たいというより、今年のムードでは必ず繰り広げられるでしょう。

 オールスターキャスト(笑)のフェアレディZ勢に、また強力なチームが加わります。RIRE RACING Zを駆るのは余郷敦選手に細川慎弥選手(まんまS-GTのガイヤルドだぁ)、そしてPCCJにも出場する福原稔選手。ST-3クラスをより盛り上げてくれるのは確実です。ともあれ、4チーム目のウィナーが誕生する可能性も、極めて高いと言えるでしょう。

 昨年はウェットコンディションだったこともあって、YAMATO CIVICが優勝したST-4クラス。見ているお客さんが辛いでしょうから、雨前提の話はなるべくしないようにしているんですが、シビックはやっぱり『ウェットで強い』を再確認しました。ドライだとインテグラが来るのかな? それもどこが? ここは群雄割拠ですからね。

 連勝狙う特許リジットカラーS2000は、市嶋樹選手がお休みで、ピンチヒッターとして起用されたのは木下隆之選手。いや〜久々ですねぇ。近頃は海外でのレースが多く、国内ではWTCCの解説者という印象が強いんですが、何と言ってもスーパー耐久の最多勝ドライバー、もし優勝すれば、『スーパーサブ』ならぬ『スーパーCドラ』として、起用される機会が増えるかも!

 前回から2台が姿を見せ、ようやくバトルが達成されたST-5クラス。『一日の長』ならぬ『二戦の多』が効いて、前回はTSK☆Vitz-RSが優勝を飾りました。ところで、話題のCR-Zですが、スプーンの市嶋代表(ここでは選手ではなくて)が、ついに製作を明らかにしてくれました。たぶん後半戦には登場するんじゃないかな?

 ハイブリッドがどう効果をもたらすのか。重量面ではハンデを負いそうだけど、燃費は良さそうだから、そのへんがメリットになるか? いろいろ興味が尽きないCR-Z、早く出てきて欲しいものです。

 気になる週末の天気ですが、今のところ曇りマークがついています。梅雨時なんですけど、何とか逃げ切れるかな。でも、逆に暑そうですね。サーキットを訪れる方は、暑さ対策には抜かりなく。特に水分補給はしっかり行ってくださいね!

(はた☆なおゆき)

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