スーパー耐久シリーズ

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ニュース: 2023.10.17

第5戦 もてぎ大会の振り返り / 第6戦 岡山大会のプレビューレポート

2023年のENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEは残すところ2戦。

10月21日(土)〜22日(日)に開催される第6戦の舞台となるのは、岡山県の岡山国際サーキットだ。

コース長が短いことから、今回決勝レースはグループ2/グループ1に分けての3時間レースとなるが、好バトルを演出する複合的なコーナーが多いコースで、今回も見ごたえあるレースが楽しめそうだ。

 

今回の第6戦『スーパー耐久レースin岡山』には、8クラス49台がエントリーした。それぞれのクラスで見どころも多く、白熱の一戦となりそう。そんなレースを前に、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた第5戦を振り返りつつ、第6戦を展望しよう。

 

ST-X

FIA-GT3規定車両で争われるST-Xクラスは、第5戦もてぎには6台が参戦した。公式予選でポールポジションを獲得したのは、#31 DENSO LEXUS RC F GT3。2番手には#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が続いた。

決勝レースでは、序盤から#31 DENSO LEXUS RC F GT3がスタートドライバーの永井宏明が好走をみせ逃げをうつが、集団をかきわけその差を縮めてきたのは#23 TKRI 松永建設 AMG GT3の元嶋佑弥。毎戦のようにみせる序盤のスパートでトップに立った。

しかし、第2スティントで2台の位置関係は逆転。これまでトラブルに見舞われることも多かった#31 DENSO LEXUS RC F GT3だが、終盤まで好ペースでレースを戦い、レクサスRC F GT3にとってもスーパー耐久初となる優勝を飾ってみせた。

2位に食い込んだのは、今季参戦したレースで全戦表彰台を獲得している#23 TKRI 松永建設 AMG GT3。3位には追い上げをみせた#81 DAISHIN GT-R GT3が入った。一方で、ランキング首位の#14 中升 ROOKIE AMG GT3は、終盤まで表彰台を争うレースを展開していたものの、ペダルベースにトラブルを抱えたほか、ドアヒンジを破損。6位と思わぬレース展開となってしまった。

迎える第6戦岡山には、ST-Xクラスは1台増の7台がエントリーした。#500 5ZIGEN GTR GT3が第1戦鈴鹿以来のエントリーを果たすことになったが、その第1戦では圧倒的なスピードをみせ優勝を飾っているマシンだ。

ランキング上位陣にとっては、ウエイトハンデが苦しいラウンドでもある。現在ランキング首位の#14 中升 ROOKIE AMG GT3から2位の1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3、3位の#31 DENSO LEXUS RC F GT3、4位の#23 TKRI 松永建設 AMG GT3までの差は僅差で、5位の#81 DAISHIN GT-R GT3、6位の#202 KCMG NSX GT3までもまだチャンスは残されている。#500 5ZIGEN GTR GT3を交えた争いは見逃せそうにない。

ST-Z

GT4車両を使って争われるST-Zクラスは、第5戦もてぎには10台がエントリーした。公式予選では#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSが得意コースでポールポジションを獲得。決勝レースでも序盤から好走をみせ、表彰台を確実とするレース展開をみせていたが、終盤のピットストップ時に給油作業で燃料があふれ、コースイン後火災に見舞われてしまった。

そんな展開のレースを制したのは、#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVO。第4戦オートポリスに続く連勝を飾り、ランキング2位を確固たるものにしている。しかし、第5戦もてぎで2位に入った#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4が得点を重ね、第6戦の結果次第ではチャンピオン決定の可能性もある。

迎える第6戦岡山は#26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4が参戦を見合わせることになったが、#111 BUZZ KR McLaren570S GT4が第4戦オートポリス以来の参戦となり10台がエントリーした。ここ数年、GR Supra GT4が強さをみせるコースではあるが、2022年とは顔ぶれも異なり、どんなレースになるかは予想もつかない。

ST-TCR

第4戦オートポリスから2台がエントリーしたST-TCRクラスは、第5戦もてぎも#5 AI' CIVIC、#97 Racer HFDP CIVICという2台がエントリーした。ただ、第5戦の決勝レースでは序盤#5 AI' CIVICがクラッシュを喫してしまい、途中トラブルに見舞われることもあった#97 Racer HFDP CIVICがしっかりと5時間レースを走り切り優勝を飾った。

迎える第6戦岡山も#5 AI' CIVIC、#97 Racer HFDP CIVICの2台がエントリーしている。#97 Racer HFDP CIVICは新型のFL5型がもつスピード、そして若手ドライバーたちのスピードが際立ちここまで2連勝を飾っているが、3時間レースとなる今回はどんなレースとなるのか、楽しみなところだろう。

ST-Q

STOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは、第5戦もてぎにはこれまでで最多となる7台がエントリーした。なかでも、第2戦富士以来の登場となった#230 Nissan Z Racing Conceptは、フェアレディZ NISMO同様のルックスで登場。速さもみせた。

そして大きな話題となったのが、#32 ORC ROOKIE GR Yaris DAT concept。多くの人たちにスポーツドライブ、そしてサーキット走行を楽しんでもらうことを目指し、TOYOTA GAZOO Racingが開発しているDAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)を搭載。トラブルを解決し、決勝レースでは4人のドライバーがほとんどシフトチェンジをしないままST-2クラスのGR YARISに迫る速さをみせた。

迎える第6戦岡山は、ORC ROOKIE Racingの2台がお休み。また#230 Nissan Z Racing Conceptも参戦しないことから、3台が減り4台がエントリーすることになった。とはいえ、その4台がそれぞれ楽しみな要素をもっている。

グループ2から出走することになるのは、#12 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept、#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept、そして#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptという3台だ。

#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは、第3戦SUGOではST-4車両を先行しグループ2のトップチェッカーを受けており、このラウンドでもその再現が期待されるが、#12 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptはスピードで、#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptはスピードに加え燃費で速さを増しており、#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptにとっては安穏としていられないところ。岡山はMAZDA SPIRIT RACINGにとっては地元とも言えるレースだけに、白熱した戦いがみられそうだ。

そしてグループ1の決勝レースに出走するのは#271 CIVIC TYPE R CNF-R。第2戦の登場以来さまざまな改良が加えられており、ポテンシャルはアップしている。今回は速さが近いST-2クラスがお休みとなるが、ST-TCR車両にどれだけ迫ることができるか注目したいところだ。

ST-1

今シーズン#2 シンティアム アップル KTM、#47 D'station Vantage GT8Rの2台によって争われているST-1クラスだが、第1戦鈴鹿こそ#2 シンティアム アップル KTMがトラブルに見舞われレースを落としたものの、その後は#2 シンティアム アップル KTMの連勝が続いている。

しかし、#2 シンティアム アップル KTMにとっても決して楽な展開で勝利を飾っているわけではない。毎回速さを保つ改良を加えており、第5戦もてぎではレース序盤こそ#47 D'station Vantage GT8Rに先行を許すも、逆転する強さで勝ち抜いてきた。

2022年は岡山国際サーキットでST-1クラスの開催がなかったことから、2台の戦いがどうなるかは予想がつかない。#2 シンティアム アップル KTMが連勝を伸ばすのか、#47 D'station Vantage GT8Rが一矢報いるのか、見逃せないところだろう。

ST-3

5台の争いとなった第5戦もてぎでのST-3クラス。公式予選でポールポジションを獲得した#25 raffinee 日産メカニックチャレンジZがリードを優勢に進めていたが、#15 岡部自動車フェアレディZ34との熾烈な終盤の争いが展開されていくことになった。

レースは残り10分というところで、#25 raffinee 日産メカニックチャレンジZと#15 岡部自動車フェアレディZ34とのテール・トゥ・ノーズのバトルとなったが、2台はS字カーブで接触してしまう。ただ、この接触で#15 岡部自動車フェアレディZ34はペナルティを課されてしまい、#25 raffinee 日産メカニックチャレンジZが初優勝を飾ることになった。

迎える第6戦岡山は、#25 raffinee 日産メカニックチャレンジZが参戦を見合わせることから、OKABEJIDOSHA motorsportとTRACYSPORTS with DELTAの2台ずつ合計4台の争いとなる。コース特性にもよるが、毎戦のように熾烈な戦いをみせる両チームだけに、今回も激しい戦いが予想される。

ST-4

8台のエントリーがあったST-4クラスは、第5戦もてぎでも予選から僅差の争いとなった。ポールポジションは#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが奪ったが、2番手以下は大混戦。レースでも序盤から激しいバトルが展開されていった。

気温30度を超える暑さのなか、ドライバーにもマシンにも厳しい戦いとなった第5戦の決勝では、予選4番手からスタートした#86 TOM'S SPIRIT GR86がトップを奪ったが、途中コースアウトにより後退。#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYがトップを奪い返し、今季初優勝を飾るとともに、ランキング2位につけ、首位の#60 全薬工業 G/MOTION'GR86とのポイント差を1.5ポイントとした。

迎える第6戦岡山も8台による争いとなるが、#60 全薬工業 G/MOTION'GR86が点差を広げるのか、はたまた#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが点差を縮めるのか、それとも第3のタイトルコンテンダーが現れるのか……。ドライバーの腕が見えやすいクラスでもあり、見ごたえあるレースが展開されそうだ。

ST-5

ST-5クラスは、第5戦もてぎでは開催がなく、第4戦オートポリス以来の開催となる。オートポリスでは#72 OHLINS Roadster NATSが第3戦SUGOにつづく連勝を飾っており、ランキングでもトップに浮上。第4戦で2意につけた#17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオが2.5ポイント差で続いている。

チャンピオン争いはこの2台がランキング3位以下に大きな点差をつけているが、12台がエントリーした第6戦岡山でもこの2台を中心に、激しい戦いが展開されるのは間違いないだろう。今回はグループ2の中でのレースとなり、ラップダウンになる回数も少なくなる。

このST-5クラスもチャンピオン争いは熾烈で、終盤まで見逃せない戦いとなりそうだ。

 

 

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