スーパー耐久シリーズ

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ニュース: 2023.8.30

第4戦 オートポリス大会の振り返り / 第5戦 もてぎ大会のプレビューレポート

2023年のENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEもいよいよ残り3戦。

7月29日(土)〜30日(日)に大分県日田市のオートポリスで開催された第4戦から1ヶ月強のインターバルで、第5戦『もてぎスーパー耐久 5Hours Race』を迎える。舞台は栃木県のモビリティリゾートもてぎだ。

 

今回は5時間の長丁場だが、9月はまだ残暑が厳しく、クルマにとってもドライバーにとっても、またもてぎのコース特性上ブレーキにも厳しいレースとなる。今回ST-5クラスは“お休み”となるが、8クラス45台がエントリーした。各クラスの前戦を振り返りつつ、第5戦のレースを展望してみよう。

 

ST-X

FIA-GT3規定車両で争われるST-Xクラスは、第4戦オートポリスには6台がエントリー。公式予選では、#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3がポールポジションを獲得。#14 中升 ROOKIE AMG GT3がフロントロウの2番手に並んだ。

7月30日(日)の決勝日は、朝から雨が降ったが、決勝直前に止みコンディションはドライへ。そんななか、今回もスタートからダッシュを決めたのは4番手スタートの#23 TKRI松永建設AMG GT3。ただ今回は#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が2番手に続き#23 TKRI松永建設AMG GT3がリードを広げることを許さず。レース中盤は#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3がふたたび首位に立ち、#14 中升 ROOKIE AMG GT3が2番手、#23 TKRI松永建設AMG GT3が3番手に続いた。

そんななか、スタートから4時間が近づこうかというタイミングで、最終コーナーで2台がストップするアクシデントが発生。この処理のためにフルコースイエロー(FCY)が出ようかという絶妙なタイミングでピットインした#14 中升 ROOKIE AMG GT3がトップに浮上することになった。

#14 中升 ROOKIE AMG GT3がはそのまま逃げ切り第2戦富士SUPER TEC 24時間レース以来の優勝を飾り、93.00ポイントでランキング首位に。悔しい2位となった#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が79.50ポイントでランキングでも2位につける。3位は#23 TKRI松永建設AMG GT3となった。

迎える第5戦もてぎには、第4戦と同じ顔ぶれが参戦することになるが、どのチームよりもこのレースへの思いが強いのは#23 TKRI松永建設AMG GT3かもしれない。2022年は決勝レースで大きなリードを築き、チーム初のST-X優勝に届こうかという展開をみせていたが、AドライバーのDAISUKEのドライブ中に接触しコースアウト。優勝を逃している。

今季#23 TKRI松永建設AMG GT3がこのレースで勝つことができれば、タイトル争いにも残ることができるはずだ。一方2022年の2位には#81 DAISHIN GT-R GT3が食い込んでいる。こちらも今季のタイトル争いにしっかりと残りたいところだろう。また、このコースは車体後方にエンジンがある車両が比較的得意。#202 KCMG NSX GT3もそろそろ結果を残したいところだ。

ST-Z

GT4車両を使って争われるST-Zクラスは、第4戦オートポリスには9台が参戦。第3戦SUGOでは悔しいレースに終わっていた#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOがポールポジションを獲得すると、レースでもきっちりと走り切り優勝。2位となった#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4を下し、ついに今季続いていた#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4の連勝を止めた。

迎える第5戦は、第4戦を欠場した#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSが復帰。また第2戦以来の参戦となる#555 REVISION AMG GT4が参戦する。ST-X同様、車体後方にエンジンがある車両が比較的得意とするコースで、#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは優勝経験もあるコースだ。また#21 ベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMS、第4戦で表彰台も獲得した#34 SUN'S TECHNO AudiR8LMS GT4も狙っているレースだろう。

もちろんレースを重ねるごとにスピードを増している2台の日産Z GT4も注目だが、何よりブレーキへの対策も必要となる。今季、ST-ZクラスではトヨタGRスープラGT4しか優勝していないが、どの車種がGRスープラの連勝を止めるだろうか。

ST-TCR

第4戦オートポリスでは、今季第3戦まで一度もエントリーがなかったST-TCRに2台のHonda CIVIC TYPE-R TCRがエントリーした。1台はAI' RACINGの5号車、そしてもう1台は、アジア初登場となったFL5型CIVIC TYPE-R TCRの#97 Racer HFDP CIVIC。この97号車は公式予選から総合でも10番手に食い込むスピードをみせると、決勝レースでも141周を走りデビューウインを飾った。

第5戦もてぎにも2台が参戦するが、#5 AI' CIVICはDドライバーとして全日本スーパーフォーミュラ選手権でも活躍する佐藤蓮をエントリー。また#97 Racer HFDP CIVICは、チームの大黒柱とも言える中野信治がBドライバーに名を連ねている。

Hondaのホームコースで新型FL5型の#97 Racer HFDP CIVICがみせる走りに注目だろう。

ST-Q

STOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは、これまでの少しずつ台数が増えてきているが、第5戦もてぎにはこれまでで最多となる7台がエントリーすることになった。いずれも話題が盛りだくさんで、注目を集めることは間違いなさそうだ。

第4戦オートポリスでは#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが参戦しなかったが、新たにカーボンニュートラル燃料を使う#12 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptが参戦を開始。走行初日の特別スポーツ走行でクラッシュしてしまったが、決勝までに修復を果たすと印象的な速さをみせた。

同じくMAZDA SPIRIT RACINGから参戦する#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptも第4戦で印象的だった一台。スピードを増し、高燃費も手伝い#28 ORC ROOKIE GR86 CNF conceptのポジションを脅かす走りを披露している。もともとMAZDA SPIRIT RACINGは#28 ORC ROOKIE GR86 CNF concept、#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの2台と争うことを目標としており、カーボンニュートラル燃料を使う3台の争い、そしてバイオディーゼル燃料で戦う#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptが、もてぎでは白熱した戦いをみせてくれそうだ。

そして液体水素を使用する#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは第4戦オートポリスでは決勝終盤に惜しくもトラブルに見舞われてしまったものの、液体水素での挑戦2戦目で軽量化、ピットイン時間の短縮など、驚くべき進化をみせつけた。今回の第5戦もてぎには液体水素車両は登場しないが、その代わりに第5戦もてぎにもGR YARISを投入することになり、車名が変更されている。『ORC ROOKIE GR Yaris DAT concept』という車名で参戦するが、TOYOTA GAZOO Racingが開発するスポーツATを搭載していることが濃厚だ。いったいどんな走りをみせてくれるのだろうか。

また今回の第5戦もてぎには、第2戦富士にも登場した#230 Nissan Z Racing Conceptがふたたび登場する。2022年には最終戦まで参戦を続け、そのたびに新たな改良が投入されてきたが、今回の参戦ではどういった改良が施されているか気になるところだ。

そして第5戦もてぎに向け、さらなる闘志を燃やしているのが#271 CIVIC TYPE R CNF-R。第2戦富士での参戦後、トラブルも少しずつ克服してきており、第4戦オートポリスはHondaの地元コースで、さらなる総合上位進出を狙ってきそうだ。

ST-1

第5戦もてぎのST-1クラスは、今季これまでのラウンド同様、#2 シンティアム アップル KTMと#47 D'station Vantage GT8Rが参戦する。第4戦オートポリスでは開催がなかったものの、第3戦SUGOまでの3レースでは、第1戦こそ#47 D'station Vantage GT8Rが制し、第2戦、第3戦は#2 シンティアム アップル KTMが速さで勝利を収めている。とはいえまだまだポイント差は僅差で、残り3戦で逆転もあり得るだろう。
特に#2 シンティアム アップル KTMは、2022年のモビリティリゾートもてぎでのレースを落としており、今季はリベンジを狙っているはず。2台の争いからは目が離せそうもない。

ST-2

2023年のST-2クラスは、2022年を大きく上回る混戦となっている。第4戦オートポリスでは、#6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10がポールポジションを獲得したものの、レースでは#13 ENDLESS GR YARISが優勝。今シーズン2勝目を飾っている。2022年に無類の強さを誇った#225 KTMS GR YARISが今季は毎戦のようにトラブルに見舞われており、第4戦オートポリスも完走できず。チャンピオン争いは#13 ENDLESS GR YARIS、#743 Honda R&D Challenge FL5、#6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10の三つ巴となりはじめた。

迎える第5戦もてぎは5時間の長丁場。#13 ENDLESS GR YARISはAドライバーハンデを跳ね返す時間は十分にある。一方、#743 Honda R&D Challenge FL5はチーム、Hondaにとってもホームレースで、ノウハウも十分。今季2戦目を狙いところだ。#6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10も虎視眈々だろう。

一方で#225 KTMS GR YARISは、この第5戦がまさに正念場。第3戦以降間違いなくスピードをみせているだけに、トラブルを防ぐことが優勝への近道となるのは間違いなさそうだ。

ST-3

混戦のST-3クラスは、第4戦オートポリスも5台が参戦。このレースでも見ごたえある僅差の戦いが展開されていった。ポールポジションを獲得したのは、第2戦富士で優勝を飾った#38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSで、僚友#39 エアバスター WINMAX RC350 TWSをわずか0.075秒差に抑えてのポールとなった。

レースでもこの2台のレクサスRC350は僅差の戦いを展開していくことになったが、第4戦を制することになったのは、#16 岡部自動車フェアレディZ34。これでOKABEJIDOSHA motorsportの2台がそれぞれ1勝ずつ、TRACYSPORTS with DELTAが38号車の1勝と戦力図は混沌としつつある。

迎える第5戦も、どこが勝つかまったく予想がつかない。今季まだ勝ち星を挙げられていない#25 raffinee 日産メカニックチャレンジ Zも、松田次生が戦線復帰。第4戦からAドライバーとなった山口智英も継続参戦し、優勝を狙ってくるはずだ。

ST-4

第4戦オートポリスでは開催されなかったST-4クラス。スポーツランドSUGOでの第3戦では、グループ2に参戦するST-Qクラス車両に続き激しいバトルが展開された。レースはチェッカー目前まで#86 TOM'S SPIRIT GR86がリードしていたものの、ファイナルラップに大逆転。ポールポジションからスタートした#13 ENDLESS GR86が優勝を飾ることになった。
とはいえ、第1戦、第2戦と連勝を飾っている#60 全薬工業 G/MOTION'GR86がシリーズをリードしている状況は変わらず。ランキング2位の#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDY以下が大混戦の様相だ。
今回の第5戦もてぎにも8台が参戦し、激しい戦いが展開されることが予想される。この戦いを制して#60 全薬工業 G/MOTION'GR86への挑戦権を得るチームがあるのか、それともさらにリードを広げることになるのか……!? 終盤戦に向けて見逃せない一戦となるのは間違いないだろう。

 

 

 

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