予選レポート 決勝レポート

予選レポート

◆ Round4予選レポート

写真  スーパー耐久シリーズ第4戦が、富士スピードウェイで開催された。前回に引き続き、2デイイベントということもあって、6月26日(土)には予選が行われ、ウェットコンディションの中で激しいタイムアタックが繰り広げられていた。GT-Rの復活もあって、早くも予選から盛り上がりを見せたが、ポールポジションを獲得したのは谷口信輝/柳田真孝/イムラン・シャハラム組のNo.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEだった。

 金曜日の練習走行は天候に恵まれ、終始ドライコンディションの中での走行となった。ここでトップタイムをマークしたのは、影山正美/田中哲也/星野一樹組のNISSAN NISMO GT-R RC! 田中が1分46秒969という、昨年のポールタイムにあと一歩と迫るタイムを叩き出し、期待に応えることとなった。

 しかし、予選が行われる土曜日は朝から雨模様。肝心の予選が始まる直前にはやんではいたものの、路面を黒く染めたままだった。ほぼ全車が、いつまた降り出しても大丈夫なように開始と同時にコースインしていくが、ピットロードを離れた直後に片岡龍也がドライブするNo.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEがストップ。

「ピットロードを出てリミッターを解除してアクセルを踏み込んだら、いきなりプロペラシャフトがねじ切れました。こんなの初めてです」と片岡。そのため、1周も走ることなく予選を終了。決勝には出走できるだろうが、最後尾からのスタートは免れず。

 練習走行の好調ぶりを維持したかのように、真っ先に2分を切ってスタンド前に戻っていたのはNISMO GT-Rの影山だった。3.8リッターツインターボが唸りを上げてストレートを通過し、また四駆の威力もあって、このままタイムを縮め続けていくものと思われた。アタック2周目、影山は1分59秒163をマークする。

 だが、それより速いタイムをNo.1 PETRONAS Z4の谷口が叩き出す。58秒030をマークしてトップに浮上し、路面状態の向上とともにタイムを刻み続けて、57秒627をベストに。逆に影山はその後のタイムアップならず、ART TASTE GT3の清水康弘の先行も許してしまう。

 一方、ST-2クラスではしばらくの間、エンドレス・アドバン・コルトスピードXの峰尾恭輔がトップだった。今回からボディを入れ替え、フレッシュな状態での走行となったが、練習走行ではABSに不具合があり、時に四輪ロック状態になっていた。その症状は予選になって解消したものの、自慢のはずのエンジンがパンチを欠く緊急事態に。

写真  そのため、やはりと言うべきか計測終了直前にRSオガワADVANランサーの大橋正澄が2分1秒491を記して逆転。峰尾をコンマ12秒差で従えることとなった。ST-3クラスでも終了直前に逆転が。FINA ADVAN BMW M3の伊橋勲が3秒962をマークし、それまでトップだったTAITEC TRACY NSXの川口正敬をコンマ11秒だけ上回ることに成功した。

 そして、ST-4クラスでは無限CIVIC SSR TEIN ATS ENDLESS PALLASの松井隆幸が、ひとり2分6秒台に乗せてトップに。2番手のRCB with KRPウインマックス・テイン・ワコーズの小林康一にコンマ5秒の差をつけた。

 15分間のインターバルを経て、Bドライバーの予選セッションが開始された。もうストレートでは水しぶきも上がらない状態となっていたものの、ここではまだ全車がレインタイヤを装着。いきなりNo.1 PETRONAS Z4の柳田が58秒台に入れて、そのままタイムを刻み続け、最終的には57秒742にまで到達。もちろんのこと合算でもトップとあって、3戦連続でのポールポジション獲得となった。

 2番手は竹内浩典が58秒608をマークしたART TASTE GT3。総合でも2番手につけた。「ドライだったらね……。ポルシェにとっては恨みの雨になっちゃった。でも、決勝レースがドライだったら、まだまだ勝つチャンスはあると思う。そうなりゃ有言実行」と竹内。

写真  そして、注目のNISMO GT-Rは田中が58秒683を記すに留まり、総合では3番手に。「特に問題があったわけじゃないんですが、強いて言うとタイムが出ないことが問題(苦笑)。途中でピットに入ったのは、セッティングが今イチ決まっていなかったからなんですけど、変えていっても完全ではなかったですね」と、無念そうに田中は語った。

 そして、ST-2クラスでは残り3分となったところで、エンドレスアドバンウェッズスポーツランサーの井尻薫が2分0秒655をマークしてトップに。コンマ03秒差で逆転を許す羽目となったRSオガワランサーの阪口良平ながら、大橋が十分にマージンを稼いでいたことから、無理に再逆転を狙わず。もちろん、合算では2戦連続のトップとなった。

「これ以上タイヤを傷めたくなかったので、早めにアタックをやめました。合算タイムなんで無理せずに。うちはもっと強く降った時の方がパフォーマンスは高いんです、昨年だって総合で2位にもつけたじゃないですか? まぁ、ちょい濡れでも大橋さんがタイムを出してくれたように、悪くない感じなんで決勝も頑張ります」と阪口。

 クラス2番手は冨桝朋広、関豊ともに2分1秒台を記録し、3番手だった新菱オート☆DIXCEL☆エボが獲得。エンドレスウェッズランサーが3番手で、エンドレスCS-Xは4番手に留まった。

写真  ST-3クラスでは2戦連続トップの期待がかかったTAITEC NSXに、エンジントラブルが発生。「1周回ってすぐ、エンジンが吹けなくなってしまって……。基準タイムをクリアするため、1周だけ走るのがやっとでした」と植田正幸は悔しそうに語る。そんな強敵の脱落で一気に楽になったのがFINA M3。廣田秀機が5秒041を記して安全圏内に入り、その後に岡部自動車ディクセルIWASAKI RX-7の小松一臣に逆転を許すも、難なく逃げ切りに成功。

「今日の結果は嬉しいけど、ドライでの感触が今ひとつなんですよ。ミッショントラブルがあったということもあるけど……。だから、決勝はまたウエットの方がいいかな。ここ勝っておくと、気持ち的に楽なんで、今回も何事もなく終われるっていうのが理想ですね」と伊橋。

 影山正彦、池田大祐ともに3番手につけていた、DIAMANGO-Zが合算ではひとつ順位を上げることとなり、2番手に。そして3番手は余郷敦と細川慎弥が、それぞれスーパー耐久初参戦ながら安定した走りを見せたRIRE RACING Zが獲得した。一方、TAITEC NSXは無念の8番手となっていた。

 ST-1/ST-2/ST-3クラスが走るグループ1のセッションが終わろうという頃、1コーナーで加藤正将がドライブする岡部自動車JDSメーカーズRX-7がクラッシュ。ST-4/ST-5クラスのグループ2のセッションは、即座に赤旗が出される。その間に路面はほとんど乾いて、再開後にはスリックタイヤを装着した車両も!

写真  スリック効果で、一気にタイムを伸ばしてきた車両があった。SAMURAI無限ADVAN DC5を駆る土屋武士が、2分3秒台に入れてきたのだ! しかし、それを上回ったのがホンダカーズ東京G/Mインテグラの太田侑弥。「赤旗が出なければ。僕だけ最初からスリックで行っていたんです」という土屋が最終的に1秒576に留まったのに対し、太田は再開と同時にスリックを投入。その差が、0秒291というタイムへと結びついた格好だ。

「最初の3周ぐらいは、ちょっと厳しいかな……という感じだったんですが、そのうちどんどん路面も乾いてきて、これならいけると。そこから思いっきり攻めていきました」と太田。スーパー耐久やシビックインターでお馴染みのドライバーだが、併せて富士チャンピオンレースのAE111レースにも出場。出れば必ず勝つ、富士マイスターが本領を発揮することに。なんと全体の総合順位でも12番手にまで躍進を遂げた。

 クラス2番手はRCB with KRPが獲得。「途中でスリックに換えていって、それは正解だったんですけど、ボクの目の前でチェッカーが振られてしまって。実質1周しかアタックできなかったんで、攻めてもう1周できていたら逆転できていたと思います」と語るのは牧田克哉。このところメカニック業に専念し、レース参戦は2年ぶり。しかし、腕も闘志もまだ衰えていなかった。

 そして3番手も木下隆之が途中でスリックタイヤに交換した、特許リジットカラーS2000が獲得。「雨の中、FRでこの順位なら上出来」と服部尚貴もご満悦の様子。木下もほぼ1年のブランクを感じさせない激走を見せ、「最多勝記録をまた伸ばしたいね」と語っていた。

 今回も2台が出場のST-5クラスでは、またも河野利尚/松村孝也/加藤宏組のTSK ☆Vitz-RSがトップ。4連勝なるか期待される。

ポールポジション/No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
「ドライだと昨日までの様子を見る限り、GT-Rやポルシェにやられていただろうから、むしろ恵みの雨になったよね。ウェットになれば、GT-Rが来ると思っていたし、ドライだと俺たちは、28号車と3番手争いをするしかないのかなと思っていたんで、ちょっと予想外だったね、このGT-Rのウェットでのタイムは。明日も天気次第だけど、すぐ抜かれると思いますよ。ただ、最終的にトップでゴールできれば! コース上の速さでは負けても、ピットタイムの短さで勝負できるんじゃないかな?」

柳田真孝
「最後、スリックで行ってもよかったかな……。でも、まわりもレインタイヤを履いていたから、僕らがギャンブルする必要はなかったんで。とりあえず、これは価値ある1ポイントだと思いますよ」