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決勝レポート

◆ Round4決勝レポート

 富士スピードウェイを舞台に、スーパー耐久シリーズ第4戦『SUPER TEC』の決勝レースが6月27日(日)に行われた。4時間に及ぶ長丁場は、終始ウェットコンディション。途中に霧のためセーフティカーが入る波乱の展開となったものの、ポールポジションからスタートを切った谷口信輝/柳田真孝/イムラン・シャハラム組のNO.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEが、一度もトップを譲り渡すことなく開幕4連勝を飾った。

 予報では快方に向かうとされていた天気ながら、結局スタートの段階ではやんでくれず。また、安全を確保するため、セーフティカースタートによってレースが開始されることとなった。合計2周の先導の後、グリーンシグナルが点灯。

 ストレートパフォーマンスの高さを生かし、No.1PETRONAS Z4の谷口にART TASTE GT3の竹内浩典、NISSAN NISMO GT-R RCの影山正美が猛然と迫ったものの、冷静なガードで逆転を許さず。スタンド前に再び戻ってくると、谷口は1秒2のギャップを築き上げていた。

 一方、NISMO GT-Rの影山は、その周のうちにRSオガワADVANランサーの阪口良平にも抜かれ、4番手に後退。しかし、雨足が徐々に弱ってきたこともあり、5周目にピットイン。なんとスリックタイヤに交換する。だが、これは雨が再び勢いを増したため、ギャンブルに終わり、13周目にレインタイヤへの再交換を強いられることに。そのため、トップからは2周の遅れを取る羽目となる。

写真  トップを走るNo.1 PETRONAS Z4の谷口は、レース開始直後こそART TASTE GT3の竹内を引き離せずにいたが、1時間もするとスパートをかけることを許され、そこからはぐんぐん差を広げ始める。そして1分ものマージンを作って、47周目に柳田へとバトンタッチ。同じ周に竹内も清水康弘へと代わるが、差は広がりもせず、逆に縮まりもしなかった。

 それまでも薄い霧がサーキットを覆っていたが、2時間を経過したあたりからいっそう濃くなっていく。そんな中、少しでもトップとの差を詰めたいART TASTE GT3に対し、ドライビングスルーペナルティが命じられる。ピットでの作業違反があったためだ。これにより絶望的な差となってしまう。

 スタートから2時間40分を経過したところで、セーフティカーがコースに入る。霧で視界が損なわれたためだ。即座にART TASTE GT3、そして最後列スタートながら3番手にまで追い上げてきたNo.28 PETRONAS Z4がピットイン。それぞれ立川祐路と片岡龍也に交代。また、ポジションも入れ替えることともなった。

 それから2周後の78周目、トップのNo.1 PETRONAS Z4もピットイン。柳田からシャハロムへと後退するが、せっかく築き上げた大量のマージンが水の泡と化していたこともあり、わずか2周で谷口へと再度スイッチする。この判断が大成功。3時間25分目にセーフティカーはピットに戻るが、その段階でわずか13秒しかリードは残されていなかったからだ。

 完璧なリズタートを決めた谷口は、その後わずかながらも差を広げて逃げ切ることに成功するが、ぴったり立川に背後に着けられていた片岡は、そうもいかなかった。必死にガードを固めて逆転を阻止しようとしたものの、スリップストリームを使った立川が93周目の1コーナーで前に。「序盤の無理が祟ったのか、予選のトラブルが尾を引いたのか、今ひとつ普段のような走りができなかった」という片岡は、再逆転を許されることなく、そのままチェッカーを受けることとなった。

 その頃、クラス順位は5番手のままながら、総合での順位をNISMO GT-Rが着実に上げつつあった。まだ弱い雨は降っていたものの、星野一樹が再びスリックタイヤを選び、他を圧するペースで周回を重ねていたからだ。ラスト2周で記した1分59秒876は、ファステストラップに。総合8位でのフィニッシュを果たすこととなった。

 その間にも、危なげない走りを重ね続けたNo.1 PETRONAS Z4は、トップでチェッカーを受けることに成功。これで開幕4連勝を果たすこととなった。2位はART TASTE GT3で、これを今季最上位に。そして、4戦連続でのPETRONAS Z4のワンツーフィニッシュを阻止することとなった。

写真  ST-2クラスではレース開始から間もなく、RSオガワランサーの阪口が総合3番手にも浮上。離れず着いていきたいエンドレス・アドバン・コルトスピードXの峰尾恭輔ながら、逆に新菱オート☆DIXCELエボを駆る関豊の抵抗を受け、差を広げられてしまう。

 阪口から大橋正澄へのリレーは完璧に、その後もリードを広げて続けていたRSオガワランサーながら、終盤のセーフティカーランで展開が大きく変わってしまう。最後のドライバー交代はエンドレスCS-Xと同一ラップ。しかし、花岡翔太がピットを離れる際、エンジンがなかなか始動せず、ロスを抱えてしまう。そのことにより、先にコースへと戻ったのはエンドレスCS-Xの山内英輝の方だった。

 ただし、リスタートの段階で一台も挟んでいなかったことから、その後のバトルが激しさを増すことにもなった。まずは1コーナーで山内をアウトからかわそうとした花岡だったが、いきなりの逆転は許されず。しかし、しっかり食らいついて逆転のチャンスを待った花岡は、残り8周となった94周目にトップ奪還に成功。逃げ切りなったRSオガワランサーが今季3勝目をマークした。

 3位でフィニッシュしたのは、大澤学/吉田寿博/松田晃司組の東和・MOTUL・EDインプレッサ。前回の鈴鹿ラウンドは欠場したが、第2戦のSUGOラウンドに続く表彰台ゲットを果たすこととなった。

写真  ST-3クラスでは、いつものようにFINA ADVAN BMW M3の伊橋勲がスタートダッシュを決めて、後続を早々と引き離していった。だが、燃料が減って軽くなるとバランスが向上するTAITEC TRACY NSXが、佐々木孝太の力走もあってスティント後半に差を徐々に詰めてくる。そして40周目には佐々木が伊橋を抜いてトップに躍り出る。

 TAITEC NSXは51周目、実に1時間50分も佐々木が周回を重ねたところでピットイン。タイヤ無交換で植田正幸をコースに送り出したこともあり、4周早くピットに戻っていたFINA M3に1分以上の差をつけることともなった。ところが、この大量リードもセーフティカーランで水の泡に。その間に、それぞれ川口正敬、三澤伸輔へとバトンタッチするが、コースに戻ると間に他クラスの車両を1台挟むだけの差に縮まっていたのだ。

 三澤は川口に対し、必死にプレッシャーをかけ続けて逆転の機会を狙う。そんな中、93周目の100Rで2台のラインがクロス。その際に接触があって川口がスピンし、その脇をすり抜けた三澤がトップに躍り出ることとなった。連勝飾ったFINA M3は、ランキングのトップも死守した。

 3位はGAMISAN/阿部光/中村嘉宏組のasset.テクノファーストZが獲得。それもラスト2周で阿部が前を走る車両をパスするという劇的な展開で、表彰台に上がることとなった。

写真  ST-4クラスでは序盤に5台が数珠つなぎとなる、激しいトップ争いが繰り広げられた。まずトップに立ったのはホンダカーズ東京G/Mインテグラの塩谷烈州ながら、10周目に無限CIVIC SSR TEIN ATS ENDLESS PALLASの久保宣夫の先行を許す。しかし、久保もまた逃げ切りならず、GLORY .ERG .A-ONE.DC5の北川剛にかわされた後、エンジントラブルによってリタイア。

 そして、北川にもまた後続車両が迫ってくる。スタート直後は6番手だったコスモソニック21 FK ings DC5の浅野武夫が、じわじわと順位を上げて来たのだ。勢いに乗る浅野は、45周目にトップへと躍り出る。第2スティントは森正行、下山和寿が担当し、そのままの順位で周回を重ね続ける。この2台はセーフティカーランの間に、あえてドライバー交代を行わず。その判断が功を奏して、3番手以下に大量のリードを築き上げることとなった。

 意地と意地のぶつかり合い、コスモソニックDC5とA-ONE DC5のトップ争いに、その表現がぴったり当てはまった。お互い、ギリギリまでドライバー交代を遅らせ、動向を見合い続けていたからだ。残り30分を切って、ようやくレースが動き、先にピットに滑り込んできたのはA-ONE DC5の方。そして、下山から再び北川に交代。その次の周、88周目にコスモソニックDC5もピットに。こちらも再び浅野が乗り込んだからだ。

 素早いピット作業もあって浅野は、より差を広げてコースイン。そして逃げ切りに成功する。これでコスモソニックDC5は3勝目をマーク。悲願の王座獲得に、極めて大きな前進を果たすことになった。3位は塩谷/太田侑弥/吉橋孝之組のホンダカーズ東京DC5が獲得。ST-5クラスでは、河野利尚/松村孝也/加藤宏組のTSK ☆Vitz-RSが4連勝を飾っている。

ウィナー/No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
「僕と柳田のスティントでは予定どおり、何とか頑張って貯金作って、イムランに乗せようと思ったんだけど、セーフティカー入ったでしょう。あれで貯金がなくなるから、(ART TASTE GT3に)行かれちゃうでしょう? それで僕がまた乗ることになりました。ちょっとイムランにかわいそうでしたけど、勝ちを優先しました。それ以外は問題なかったですよ」

柳田真孝
「ボク的には何ごともないよう走っただけなんで。燃料をセーブして、何もなければイムランに負担かけないように、燃費稼ぐ方向で走っていました。谷口さんが最初に大きなギャップを作ってくれたんですけどねぇ。まさかあんな形でセーフティカーが入るとは思いませんでしたが、チームの好判断で4連勝を飾ることができました