◆ Round1決勝レポート
ツインリンクもてぎが舞台のスーパー耐久シリーズ開幕戦では、No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの谷口信輝/柳田真孝/イムラン・シャハロム組が優勝。
ポールポジションを獲得した、清水康弘/竹内浩典/立川祐路組のART TASTE GT3はトップを守れず。
7周目に逆転を許した後、No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの片岡龍也/ファリーク・ハイルマン/メルビン・モー組にも抜かれてしまう。
その後は順位変動もなく、淡々と周回が進んでいき、またもPETRONAS Z4が1-2フィニッシュを飾ることとなった。
予選の興奮もさめやらぬまま、約3時間のインターバルで400km、84周に渡る決勝レースが行われた。
予報によれば、雨の心配はなかったものの、問題は厳しい寒さ。
スタートを間近に控えた段階で気温は5度、路面温度も10度と、普段のレース以上にタイヤのコントロールを気にかけねばならぬレースとなった。
1コーナーへのホールショットを決めたのは、ポールを奪ったART TASTE GT3の清水。
だが、1周目こそ1秒2のリードを築いたものの、そこからは2台のPETRONAS Z4が、ピタリと背後に。
激しい三つ巴の戦いが繰り広げられたが、7周目の5コーナーでNo.1 PETRONAS Z4の柳田が逆転に成功。
さらに2周後にはNo.28 PETRONAS Z4の片岡にも、同じ5コーナーでかわされてしまう。
その後も「ブレーキが辛かった」という清水はスピンやコースアウトがあって、一気に差を広げられてしまう。
後を受けた竹内、立川のリレーもプレッシャーをかけられこそはしたものの、追いつくまでには至らず。
逆にルーキーのシャハロムやモーにもドライブの機会を与える余裕さえ、PETRONAS Z4勢は見せていた。
ST-2クラスでは、RSオガワADVANランサーの大橋正澄/阪口良平/花岡翔太組、そしてエンドレスアドバンウェッズランサーの朝倉貴志/井尻薫組による激しいシーソーゲームが繰り広げられた。
鋭いスタートダッシュを見せた井尻ながら、阪口をかわすまでにはいたらず。
しかし、ぴったり背後に食らいついて井尻がプレッシャーをかけ続けた。
最初にレースが動いたのは、1回目のピットストップ。
エンドレスウェッズランサーがタイヤ無交換で朝倉をコースに送り出し、ロスを最小限にしたことで順位を入れ替えたのだ。
しかし、タイヤがフレッシュな分、大橋もじわじわ差を詰めて、コース上での逆転こそ果たせなかったものの、射程圏内におさめたところで花岡とバトンタッチ。
そして、その8周後、再び井尻がコースに戻った時には、花岡が15秒前を走行していた。
ペースでは上回る井尻ながら、的確なピットからの指示によって花岡は安定したペースで周回を重ね続ける。
残り4周で5秒差とまでしたものの、花岡はプレッシャーに屈することなく最後まで走り続けて優勝を飾ることとなった。
3位は新菱オート☆DIXCELエボの冨桝朋広/関豊組が獲得。練習では駆動系に、予選ではミッションのトラブルを抱えはしたが、決勝ではノートラブル。
また、練習中のクラッシュにより、予選に出走できなかったウエマツ・エンドレスアドバンCS-Xの峰尾恭輔/村田信博/植松忠雄組だったが、最後尾からのスタートを許されることに。
峰尾が激しい追い上げを見せ、わずか15周で4番手にまで挽回。29周目にガス欠症状が出て、ガクンとペースを落とす一幕もあったが、ピットに戻れたのだからツキは戻っていたと言ってもいいだろう。
その後は手堅い走りを見せて、4位での完走を果たすこととなった。
花岡と井尻のバトルが盛り上がりを見せたが、逆転は許されなかったST-2クラスのトップ争いとは、ST-3クラスは好対照な展開となっていた。
FINA ADVAN BMW M3の伊橋勲/廣田秀機/行方由久組を、ラスト3周でTAITEC TRACY NSXの川口正敬/佐々木孝太/植田正幸組が逆転して優勝を飾っているからだ。
この2台のバトルは、序盤から。佐々木がトップでレースを開始し、そのまま逃げようとするも、燃料を積んだ状態ではNSXのペースが今ひとつ。
逆に積んだ時のバランスにM3の方が優れることから、伊橋がピタリと食らいついていった。
そして、3周目のV字で伊橋がオーバーテイクを試みるも、その際に接触して佐々木は順位をひとつ落としてしまう。
だが、この伊橋のアクションにドライビングするペナルティーの裁定が。それでも伊橋もひとつ順位を落とすに留まり、逆に佐々木はトップに返り咲く。
川口と行方による第2ラウンドでは、ポジションはそのまま。先に動いたのはFINA M3の方。
こちらは廣田への交代の際、タイヤを交換せず。逆にTAITEC NSXはタイヤを4本交換。
だが、植田ではなく再び佐々木がドライブすることに。差は10秒にまで広がっていた。ところが、佐々木のプッシュは激しく、差はみるみるうちに縮まっていく。ラスト6周で差はついに1秒を切る。
が、その直後にビクトリーコーナーで佐々木は姿勢を乱し、また差を広げてしまう。これで勝負ありかと誰もが思ったものの、佐々木はそう考えていなかった。
再びプッシュをかけて1コーナーで逆転。佐々木は川口と植田とともに、笑顔で表彰台のてっぺんに立つこととなった。
3位は、岡部自動車T-MANオイルTeam Tetsuya Zの田畑勇/田中徹/古谷直広組が獲得。
また、予選2番手だったDIAMANGO-Zの影山正彦/池田大祐/石原将光組は、Cドライバーの予選セッションでクラッシュ。
ダメージはフレームまで及んだが、メカニックによる必死の修復で、何とか決勝には間に合うこととなった。
しかし、3番手を走行するも、ブレーキや電気系統のトラブルがあって、無念のリタイアを喫している。
ST-4クラスでは、コスモソニック21FK ings DC5の浅野武夫/笠原智行/高野勝徳組が優勝を飾っている。
予選こそ2番手だったが、浅野が鋭いダッシュを決めてオープニングラップのうちにトップへ。
これを予選トップのホンダカーズ東京G/Mインテグラの太田侑弥が追ったものの、早い段階でエンジンがぐずり出したばかりか、4速ギヤも失ってペースダウンを余儀なくされることに。
代わってTUBE RACING DC5の松本玲二が2番手に上がるも、浅野は一向に寄せつけようとはしなかった。
その安定感に対抗するにはセオリー破りの展開を、とばかりにピットストップのタイミングをライバルたちはずらしてくる。
特にTRACY SPORTS S2000の阿部光は40周を過ぎても、ピットに戻らず。
一時は1分近いリードも築いていた。が、45周目に他車との接触により、フロントノーズを傷め、修復に多くの時間を要することに。
それどころか、東徹次郎に代わって間もなくデフにトラブルが発生し、ピットに戻ることを許されず。これで労せずしてコスモソニックDC5はトップに返り咲くこととなる。
浅野からバトンを託された笠原、高野の走りも問題なし。特に昨年のもてぎシビックチャンピオンである高野は、これが耐久初レースであるにも関わらず、堂々たる走りで先輩ふたりの作ってくれた貯金を守ることに成功した。
2位のTUBE DC5に続いたのは、特許リジットカラーS2000を駆る服部尚貴/市嶋樹組。
そして、唯一ST-5クラスでの出場となった、河野利尚/植島禎一/松村孝也組のTSK☆Vitz-RSは、総合トップから20周遅れながらも無事完走を果たすことに。
特別規則により、今年のST-5クラスには台数を問わず、順位に応じたポイントが与えられることもあって、貴重な25ポイントを獲得することとなった。
ウィナーのコメント/No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
柳田真孝
「スタート前はポルシェがどれだけ来るか分からなかったから、実はけっこう不安でした。
でも、結果的にこうなって、すごく嬉しいですね。新人のイムランも乗せられたし、これで自信をつけて欲しい。
このまま3人でいい形、いい流れでいきたいですね。去年もここで勝てたけど、SUGOをトラブルで落としたことで、シリーズが辛くなってもいるんで、そういうことのないよう、ずっといい流れでいきたいですね!」
谷口信輝
「昨日の感じからすると、まさかポール獲られるとは思わなかったんだけど、ポルシェが速さ見せましたね。
たぶん、あの感じからすると、もっと上がってくると思うんです。僕らに一日の長があったというか、経験とかで何とか勝てましたけど、あっちが仕上がって、慣れてくると怖い存在になりそう。でも、本当に今年は楽しそうです、ガチバトルが!」





