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レポート

 

◆ Test Dayレポート

 4月21〜22日、今年も仙台ハイランドで幕を開けるスーパー耐久シリーズ。これに先駆けること、ほぼ1か月。公式テストが第2戦の舞台である、鈴鹿サーキットで行われた。

テストの様子を紹介する前に、まずは新たな規定について。
 最も大きな変更点としては、予選方式が変更されて、従来のドライバーズ予選(DQ)とグリッド予選(GQ)が廃止。
Aドライバー予選とBドライバー予選に改められる。
これにより、決勝グリッドはAドライバーとBドライバーのタイム合算で決定されることになった。
また、各クラスのポールポジションには、3ポイント授与されることに。
A/B両ドライバーそれぞれにタイヤは4本ずつ登録されたものが使用でき、決勝スタート時にはこの8本の中から4本を使用することが義務づけられるが、選択に関しては自由とされている。
 その他の規定変更としては、STクラスSの最大排気量が2000cc以下から2200ccに改められ、マイナーチェンジ後の2.2リッターS2000(AP2)での出場が可能に。
また、STクラス2の車両が車種に関係なく1260kgに統一され、STクラス3のRX-7の最低重量は1150kgに変更された。
 既報のとおり、今年は全7戦とも500km以上のレースとされ、今まで以上に耐久レース色が強くなっている。
その分、レースが過酷になるのは間違いなく、ドライバーを3名フルに登録されて、レースでも全員が乗るケースが増えそう。もちろん、レース展開に大きな影響を及ぼす可能性は十分にある。

 さて、テストの状況であるが、今年の年間エントリーは31台で確定。
写真 そのうち23台が鈴鹿に姿を見せ、これにスポット参戦を予定している3台を加え、26台でテストが重ねられた。
午後2時から3時間のテストに先駆けて予備車検も行われ、すべての車両が合格。なお、テストは当初、通しで行われる予定だったが、中間にインターバルが設けられることとなった。

 今回のテストにおいて、最も注目されたのはSTクラス1。ここ数年、ポルシェの牙城が続いていたクラスに強敵の出現が予想されるからだ。それがBMW Z4クーペとフェアレディZ 380RS-Cであるのは、すでに聞き及びのことだろう。
 まずはZ4クーペだが、マレーシアのペトロナス石油がシフトとのジョイントでスーパー耐久を戦う。
ただし、同社のシリーズへの挑戦はこれが初めてではない。
2000年の8月にノンタイトルで開催されたINTER TEC in KOREAに出場、その時の好印象を受けての参戦とのこと。
ドライバーはスーパーGT、フォーミュラ・ニッポンとの掛け持ちとなる柳田真孝、そしてアジアツーリングカー選手権で昨年ランキング2位のファリク・ハイルマン。
 そして、Z 380RS-Cはエンドレススポーツ(メンテナンス:RS中春)、C-WEST LABSの2チームに託された。それぞれドライバーは影山正美/青木孝行/藤井誠暢、そして田中哲也/星野一樹/山田英二という強力布陣だ。
 これらを迎え撃つポルシェは、4台がエントリーすると予想されている。
テストに姿を見せたのはチームアートテイスト(メンテナンス:シフト)の清水康弘/竹内浩典組、RUN-UPスポーツ(メンテナンス:東名スポーツ)の田中篤/松永まさひろ組。これにプロジェクトμレーシングチーム(メンテナンス:RSファイン)の山野直也/TBN/ヘンリー・ホー組(Bドライバーは谷口信輝もしくは山路慎一)、そしてスペックス45が加わる予定。だが、後者は全日本ライダーでもある伊藤真一がテスト中の転倒で大腿骨を骨折し、全治3カ月との情報が伝わってきただけに、ここにきて状況にも変化がありそうだ。
 2セッションに分けられたテスト前半では、C-WESTのZがトップにつけ、僅差でアートテイスト、エンドレス、ペトロナスを従えたものの、2分13秒台がベストでレコードタイムの11秒台はおろか、昨年の同時期に行われたテストにおけるベストタイムにも及ばず。
これはニューマシン投入のチームは言うに及ばず、ポルシェ勢もすべて体制を入れ替えているため、まずはセットアップに専念したからだと思われる。
なお、RUN-UPスポーツもタイヤを昨年のダンロップからヨコハマにスイッチ。
話は前後してしまうが、どうやらダンロップはスーパー耐久での活動を休止したようだ。この日もユーザーは1台も存在せず、旧ユーザーはいずれも他社のタイヤにスイッチしていた。
 本格的にスピードが突き詰められたのは、予想どおりテスト後半にアートテイストの竹内が、ついに2分13秒の壁を突破し、12秒704をベストタイムとした。
「気温が低すぎるのと、2日前に行われたGTのラバーと、タイヤがどうもマッチしていないようなので、本番ではもうちょっと出そうな気がする。
3年ぶりのスーパー耐久だけど、違和感みたいなのは全然ない。今年は(木下隆之に奪われた)最多勝を取り戻しにきました。
写真 もっとも、あっちはクラス優勝が多いから、あんまり価値はないんだけど(笑)。僕は全部総合だから。それはともかく、今年は相方の清水選手もオフの練習でだいぶ速くなったから、絶対に面白くなるよ」と竹内。
 アートテイストに遅れること、コンマ5秒。13秒192をマークして2番手につけたのは、ペトロナスZ4だ。
「Z4はベースの素性がいいからなんでしょうね、乗りやすいし、コーナーが速いように思います。誰でも扱える癖のないクルマ。もちろん、パワステのフィーリングとか、まだまだ詰めなきゃいけないところはたくさんありますけど、ポルシェといい勝負になりそうな気がします。
ただ、ずば抜けているかというと、決してそうではないんですけどね。唯一の不安はハイルマンが、日本のレースやコースに慣れていないこと。今回ももっと走らせてあげたかったんですが、それは申し訳なかった。でも、アジアのレースで実績を残している、実力あるドライバーなので、慣れてくれば問題はなくなるでしょう」と柳田。
 そして、3番手には13秒572をマークしたC-WEST、4番手には14秒119でエンドレスがつけることに。
同じZであっても昨年の特認車両に比べ、50kgほどの軽量化が図られていることで、これがコーナー、直線ともにポテンシャルの底上げに貢献した模様。
「タイヤが違うし、Zはまだ開発中でセッティングが決まっていないから、単純にポルシェとの比較はできないけど、それぞれのいいところは把握したつもり。
今まで外から見ていた印象とは、今年のZは明らかに違って進化しているのは確か。直線だって遅くないし。全体的に負けている気はしない。もっとも、勝っている気もしないんだけど(笑)。
きっといい勝負になると思いますよ、3車3様の戦いとなって、お客さんも喜んでくれそう。全戦全勝という、これ以上ない結果を残した僕としては、新たなチャレンジに胸躍らせています」と田中。

写真  一方、STクラス2からは7台がテストに参加した。
このうちインプレッサはプローバエンジニアリングが持ち込んだ2台のみだったのだが、1台はテスト開始早々にオイルに乗ってクラッシュ。
残り1台を吉田寿博と松田晃司がシェアしてテストし、終盤には吉田が2分15秒256をマークしてトップにつけた。
プローバといえば、長年に渡りダンロップを使用してきたのだが、前述のとおり同社の活動休止に伴い、ミシュランへとタイヤをスイッチ。
もともとWRCインプレッサとタイヤを合わせる予定だったため、特に混乱はなかったようだし、むしろ好感触とも吉田。
「縦のトラクションの良さはパッと乗って分かりました。まだ、そういった特性にクルマの方が合わせ込むまでの状態にいたっていないんだけど、それでもトップなんだから、ポテンシャルの高さをすごく感じます。と同時に、復活の手がかりもつかめました」と。
なお、ドライバーは吉田と松田、そして昨年ディクセルM3を走らせていた川口正敬で1台は確定。もう1台はエントリーすること自体も含め、現状では未定とのことだ。
 これに続く2番手には、オーリンズレーシングのランサーがつけた。
その差はコンマ3秒と、ごくごく僅差。今年も熾烈な戦いが期待できそうだ。
「今回はいろいろメニューを試していたから、順位とかタイム差は気にしていないんだけど、インプレッサが速くなってくれるのはありがたい。今年は見ている人みんなが興奮するレースをする、っていうのが目標だからね。
あと、4G63を積むランエボとしては、これが最後になるので、何としても強烈な印象を残したいんだ。そのためにもライバルには頑張ってもらわないと」と、木下隆之からは余裕の発言も。
なお、今年も中谷明彦と組むことは変わらずも、Aドライバーには木下が就任することとなっている。
3番手につけたのはシーケンシャルエンドレススポーツ。
HINOKIと和田久の参戦は確実なようだが、Cドライバーは入れ替わる可能性も。このテストでは中村啓が召集されていた。

写真  STクラス3からは大量11台が参加。
その内訳はZが6台、RX-7が3台、そしてM3とNSXが1台ずつとなっていた。
トップタイムをマークしたのは、東名スポーツのZを駆る伊橋勲/大井貴之/武井義隆組。
なんとST2勢をも上回る2分14秒867をマークし、クラスではだんトツだった。
「新しいタイヤとホイールを試したんだけど、それが良かったみたい」と大井。
ちなみに車両そのものはZで変わらずも、昨年のST1仕様エンドレスをコンバートしたものを用いており、その効果もあったのかもしれない。
そして、昨年まで大井らが用いていた車体は、長島正明率いる岡部自動車モータースポーツが購入。
同チームは2台のRX-7と新たにZも走らせることとなった。
「Zを入れたのは、まず購入できるチャンスがあったのと、昨年はRX-7が有利だったと言われていたでしょう?
 なら、Zにも挑戦してみようと思ったのと、こうして両方走らせれば、いいところも悪いところも分かるんで、お互いにフィードバックできたらいいんじゃないかな、って。それで連覇を狙う? いや、そこまではまだ考えていないんですけど(笑)」と長島。
なお、それぞれの布陣だが、まず7号車は井入宏之/赤鮫オヤジ/佐々木孝太組で、14号車が増田芳信/入口秀輝/吉富章組に。15号車がZとなり、長島自身が駆ること以外、未定とのこと。
当然、昨年のパートナー古谷直広も候補のひとりだが、「呼んでないのに、やってきちゃいました」そう。それぞれ、まだ様子見の段階とあって、7号車は7番手、15号車が9番手、そして14号車が10番手に留まった。
 クラス2番手につけたのは、アラビアンオアシスのスポンサードを受けるC-WEST LABS、小林敬一/安田裕信/菅原修一組のZ。
ここは既報のとおり本山哲が監督を務める。
3番手はトレーシースポーツのNSX。なお、参加者リストには植田正幸の名が記されていたが、実際にドライブしたのは佐々木雅弘と塩野健司といった、05〜06年のアルテッツァシリーズチャンピオン。
さらに海老原茂樹と北川剛にもテストの機会が与えられていた。
植田はチームエクストリームのZを輿水敏明、加藤正将と駆る。
また、新規参戦のTK-SquareはM3を新たに製作、小山佳延と高崎保浩のコンビで挑むこととなった。ST3唯一の新車Zを走らせるのは、YZ SPEC。昨年までST4で戦っていた前嶋秀司がAドライバーとなる。

写真  なお、STクラス4は3台のみ参加。
浅野レーシングサービスは従来どおりの体制で挑むものの、残り2台を走らせたTEAM A-ONEはAドライバーの山本すばるのみ決定、今回はオーディションに勢力を集中し、増田定臣や松下昌揮、山崎学ら若手のいずれかに機会を与える見込み。残念ながら、STクラスSの参加はなく、今年はシリーズとしての成立も危ぶまれている。

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